kinojiten

タブノキ(イヌグス)  Machilus thunber gii

分 類: モクレン目クスノキ科タブノキ属【散孔材】

分 布: 本州(青森県以南の日本海岸、岩手県以南の太平洋岸以南、近畿地方)~四国、九州

性 質: 向陽地で育つが稚幼樹はかなりの庇陰に絶え育つ陰性を帯びた中庸樹。温暖な沿海地の適潤で地味肥沃な谷あいに育ち生長は速い。比重0.65。材はやや堅硬。交差木理や美しい杢がある。耐久、保存性、切削加工性は中庸。割裂は困難。辺材は淡黄褐色、心材は色の濃いベニタブと薄いシロタブがある。

アオガシ(Machilus japonica Sieb.et Zucc.)と類似しているが相違点は次の通り

タブノキ→葉は倒卵形、楕円形、広倒披針形、革質で無毛

アオガシ→葉は倒卵状長楕円形または披針形、倒披針形、洋紙質様革質で初期は下面に微毛あり、先端は次第にとがって有尾鋭尖頭に終わる

用 途: 建築材(土台、板類、内部造作)、器具材(洋家具、美術的箪笥、陳列棚)機械材(三脚)、土木用材、楽器材、船舶材(小舟用具)、根部にできる瘤塊を美欄といい、茶棚、置物棚、指物などに使われる。

使用例: ちゃぶ台(野田)

ひと言: 三重県以南、たくさん生えている木で暮らしの中でふんだんに使われていってほしい木。使ってみれば心材は杢が出て良い、と初めて扱った木工家の方々にも好評です。